保険に入る前に絶対読むべき本「難しいことはわかりませんが、「がん」にならない方法を教えてください!」

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会社の健康診断でアミノインデックスなる検査を受けさせてもらったところ、危ない数値が出ました。

受けたのはAICSというがんについての検査で、受けたといっても血液検査のみ。結果としては一番悪い検査結果ではあるものの、具体的には「あなたは0.32~1.09%の確率でがんです」とのこと。

この検査結果を健康診断を行った病院に問い合わせると、最も悪い結果だったのでお医者さんもかなり慌てた様子で、精密検査できる病院を紹介してくれました。

大した確率でもないのにお医者さんが慌てるというのは、検査結果として最も悪い結果だったからだろうけど、アミノインデックスはお医者さんたちの間での認知が低いらしく、よくわからないけどやばいかもしれないね、という雰囲気でした。

やばいなあ、がん保険とか入ってないよ。。。とは正直思いましたが、精密検査でCTをとったりなど不安な日々を過ごすこと1か月、精密検査の結果は全く異状なしとのことでホッとしましたー。

精密検査の受診は昭和大学病院。対応してくれた先生はアミノインデックスについてご存じのようで、さすがしっかりこの検査の本質をつかんでたようです。この検査の最悪の結果は1%と低く、その程度で大げさな装置を使って医療費を使って精密検査するなどもったいないと考えているようでした。もちろんそれを非常に丁寧で親切に説明していただき、安心させてもらうことができました。

診療所からの紹介状があったので、自分としてはがんの精密検査を保険適用で受けることができて非常に勉強になった、得した、ぐらいの気持ちでしたが、結果が出た後で振り返ると見るからに深刻そうな人の中で、自分のような健常者が診察してもらうことに申し訳なさを感じました。

とりあえずアミノインデックスについて思うことは多々ありますが、今回はその頃に読んで最もためになった本「難しいことはわかりませんが、「がん」にならない方法を教えてください!」を紹介します。

アミノインデックスの検査結果が届いたときは自覚症状もなかったので、間違いなく死ぬことはない、治療後完全復活してこれからも生きていくだろう、という思いでした。心配だったのは治療費。取り合えずkindle unlimittedを使ってがんについての本を探しました。

そこで見つけたのがこの本『難しいことはわかりませんが、「がん」にならない方法を教えてください!』です。

がんとは何か、治るのか、その費用は?準備は?などの疑問を抱きつつ読みましたが、読後多くの疑問が解消されました。

何も知らない著者とがんの専門医の対話形式が秀逸で、初心者として非常にわかりやすく進んでいきます。

1. 基礎知識編

ここではがんとは細胞の新陳代謝の際に起こるエラー。ふつうはそんな細胞は死んだり修正されるけど、ごくごくまれにがん細胞になるとのこと。

60歳でがんが見つかる人は40歳からでき始める、というのは驚きでした。日本人は寿命が延びたのでがんで死ぬ割合が高い。がんが見つかれば初期なら切っておしまい。

そして、医者の提示する治療法が最適というわけではないので、自分で治療法を決定できるように勉強しておくことが必要だと言っています。

そして、がんは遺伝しないそうです。衝撃的でした。。。

2. 予防編

がんにならないためには、煙草、肥満、運動不足に気を付ける。まず煙草は当たり前に吸わない。そしてがんの原因になる食事は肉と塩なので、肉は週に2,3回、減塩を心がけて野菜や果物を多くとること。

肉より魚のほうがいいそうです。がんを防ぐ食べ物はニンニクとキノコが圧倒的なようなのでこれはとるべきですね。そしてお酒もちょっとにしなさいとのこと。

この章は予防について書かれていて、取り合えずは

  • 煙草は吸わない
  • 肉は少なく
  • 塩も少なく
  • お酒も少なく
  • 野菜と果物、特にニンニクとキノコを採る
  • 太りすぎない、痩せすぎない
  • 多少運動する

これくらい守りましょうということです。

煙草は2年やめていて、お酒はアミノインデックスでがんが怖くなってしまったので半年やめてるから、あとはダイエットと食生活なんですが、難しいなぁ。。。

3. 検診編

次は検診編として、どんな検診を受ければよいのかなどを教えてくれます。

発見しても直さないといけないので、初期のがんを見つけなければいけませんが、健康診断でも人間ドックでも見つかりにくいそうです。見つかる場合は進行がんとのこと。

だから健康診断以外に、がん検診を受けなければいけないけれども、日本の受診率は2割から3割で、欧米は7から8割とかなり劣っていると。

確かにがん検診なんて自覚症状もないのに面倒だなとは思います。受診の目安として、50歳までは2年に一回、それ以降は年一回行かないと、がんが大きくなってしまうということです。

検診で見つかるがんは1㎝程度からということなので、がん検診で見つからなかったということは、がんがないか、1㎝より小さいがんがあるけど見つからなかった、ととらえた方がよさそう。ぜひ検診には行こうと思いました。選挙も大事だけどもっと大事かもしれません。

では何の検診を受ければいいか。がん検診にはたくさんのめゆーがあって、確かにどれを選べばいいかわからない。

そこでまたためになる提示があって、肺、胃、大腸ががんの死因の5割弱、さらに肝臓、胆のう、膵臓をエコーで検査すればほぼ網羅でき、女性は乳がん、子宮がん、卵巣がんなどの婦人科系をこれにプラスするのがよいそうです。

確かに完ぺきではないけどまずは受診することが大事です。

この後、実際のがん検診体験記もあります。こういうのがあると受診の心理的ハードルを下げてくれるし、なんか医療系の本では珍しいなーと思いました。

4. 告知編

検診を受けてもしがんだった場合、気の利いたお医者さんなら「ご家族と来てください」というはず。そして後日家族と一緒に落ち着いて聞いて、話をメモして大切なことをメモすること。

とにかくがんは治るので、問題解決に気持ちを向けなさいと言ってくれています。そして余命は信じてはいけないそうです。

家族ががんになったという場合は、自分が冷静になって助けてあげるように動く。当人よりは客観的に考えて、お医者さんとの間に立つことができるはずなので、お医者さんもそういう人がいると治療が進めやすいとのことです。

がんと告知を受けてしまったら、とにかく冷静にがんに立ち向かい、どのような治療を受けていくべきか考えることが大切、という章でした。

5. 治療選択編

これも知らなかったことですが、病院とクリニックには違いがあるそうです。それは病院は保険診療中心、クリニックは非保険の治療も行っています。

大病院がやっていない先端治療が受けられるそうで、確かに高額でしょうが一日で手術が終わって次の日からでも働けるというようなのをテレビで見たことがあります。きっとあれはクリニックだったんでしょう。

がんの治療には大きく分けて手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つがあり、それぞれにメリットとデメリットある。重要なのは、一度治療方法を決めると後戻りができないそうです。

自分の得意分野に誘導する医者もいるので、選択の際はセカンドオピニオンをもらいなさいとのことです。実際には欧米では放射線治療が6~7割、手術が最も病院が儲かるらしいです。

セカンドオピニオンは、外科医に手術を進められたら放射線治療医に、逆に放射線を進められたら外科医にお願いし、ファーストとセカンドが全く違う意見だった場合はサードオピニオンをもらうこと、だそうです。勉強になります。

医者が気に入らなかったら、ナースのボスにチクると裏からうまくやってくれるとの話は真実味があってとてもよかったです。

6. 治療編

最後の章は治療について。腕のいい医者は診断してくれた先生に「先生ならだれの手術を受けたいですか?」と聞けばいいそうです。そして腕のいい医者が必ずしも優しい医者とは限らないそうで、腕が良ければ他は目をつぶることも必要みたいです。

そして、診断の後すぐ手術を勧められても、少し待つこと。よほど進行したがんでなければ具体的には1か月程度は大丈夫とのことで、この間にセカンドオピニオンを求めればいいんだろうと思います。

あとは、手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つにおいて、それぞれのメリットとデメリットが書かれています。

この本を読んで

対話形式でとても分かりやすく話も面白いので、飽きずに読むことができました。この本には、告知されたら冷静になって前向きに治療について考えることの必要性が書かれています。しかしがんにたいしてこれほどハードルの低い本でも、実際に自分ががんであると告知されたら冷静に読むことができるか自信がありません。

大事なのはがんでない今のうちに、がんについて知っておくことです。自分も今回この記事を書くにあたって読み返したことは本当に良かったと思っています。

特にがん治療は手術、放射線治療、抗がん剤治療に大別できること、それぞれのメリットとデメリットを知っておくことで、よりお医者さんの話が分かりやすく入ってくると思います。がんに立ち向かう準備のようなものが現時点でできてよかったと思っています。

またこの記事ががんを告知された方やそのご家族の目に触れることもあると思います。どうかあきらめないで冷静にがんに立ち向かってください。

以上お読みいただきありがとうございました。

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